英語の聞き流し系の教材はたくさんあります。
某プロゴルファーの方を起用したCMが一昔前によく流れていましたね。もし聞き流しで英語のリスニング力が向上するのであればこれはもう最高です。
聞き流しということは英語に集中する必要がなく、いつでもどこでもストレスゼロで英語のリスニング力を伸ばすことができるということです。
しかし、残念ながら現実はそう甘くありません。僕個人の意見としては、英語の聞き流しは、リスニング力を伸ばすという観点から見れば全く効果が無いと思います。
目次
英語を聞き流すデメリット | 英語を聞き流すクセがついてしまう

これはあくまで個人経験に基づいた単なる主観なのですが、僕は英語を聞き流すという行為は英語のリスニングに悪影響を与えると思っています。
大学1年の冬、まだTOEICが300点だった時、僕は1日に15時間以上英語を勉強していました。そんなある日ふと思いつたのが、
でした。
そのままなんですが、簡単に説明すると、風呂や授業意外の全ての時間に耳にイヤホンをつけて、ずっと英語を聞き続けるというアホな企画です。(もちろん子守唄も英語です)
そこから一週間、愚直にCNNやBBCといった当時の自分には全く理解できないレベルの英語を聞き流し続けた訳なのですが、それを終えて気付いたことは、
でした。
どういう訳か、アメリカ人の教授や、洋画のセリフ、TOEFL問題集の英語が、頭に入って来なくなってしまっていたのです。
そしてリスニング力は全く上がっていませんでした。。
チャレンジ中の1週間、僕にとって英語はまさに生活の一部。
常に僕の耳元にいる心地の良い存在でした。
しかし、それは裏を返せば何の特別感もないただの雑音になかねません。
僕の中で「英語の音」はもはや特別なものではなく、特別に耳を傾ける必要がないものになっていたのです。
この時に悟りました。
と。。
そもそも英語のリスニングってどういう仕組?

英語の聞き流しに効果がない理由を見る前に、まずは僕たちがどういうプロセスでリスニングを行っているのか、つまり英語のリスニングのメカニズムについて見ていきます。
リスニングの仕組みは大きく分けて以下の2つです。
僕達がリスニングを行う時には、この意味の抽出と要約を必ず行っています。
順を追って見ていきましょう。
例えば「apple」という「英語の音」が頭に入ってきたとします。
すると僕達はそれを頭の中で「りんご」という意味に変換して、「apple」という音は、木になる赤い果物であると理解しています。
これが英語のリスニングにおける音からの意味の抽出です。
次のプロセスは要約です。
例えば「He」「is」「handsome」という音を聞いたとしましょう。
まず行うのは意味の抽出です。
「彼」「です」「イケメン」
みたいな感じでそれぞれの音から意味を抽出します。
そしてその3つの単語を要約し、文として理解します。
すると、「彼はイケメンです」という文として理解することができます。
これを文単位でも行えば、最終的に文章全体を理解することができるのです。
聞き流してたら意味を抽出することも要約することもできない

では、果たして聞き流すことで、この英語の抽出と要約はできるようにのか?
答えはNoです。
聞き流すということは英語の意識が向いていない、つまり、英語の音を雑音と同じレベルで聞いてしまうということです。
ネイティブならまだしも、スピード◯ーニングなどがターゲットにしている英語のリスニングの初心者が、意識を向けずに英語から意味を抽出することは絶対にできません。
一度聞いてみて意味がわからない英語は、注意深く意識を向けて、聞けるようになる為の努力をしないと一生理解できるようにならないでしょう。
無論、英語の音から意味を取るという行為ができないということは要約する練習もできません。
英語をただ聞き流すだけでは、今まで聞けなかった英語を聴けるようにはなりません。
それどころか僕のように、英語を聞き流すクセがついてしまって、むしろリスニング力が下がってしまうような事態にもなりかねないのです。
英語の聞き流しで日常会話ができるようになる?

どういうロジックで聞き流しがスピーキング力向上につながる説いているのかわかりませんが、まずありえないでしょう。
聞き流すだけで英語が喋れるようになるなら今頃みんなペラペラです。
英語の聞き流しでは日常会話はできるようになりません。
ある程度の意識を向ければ、フレーズくらいは覚えられると思いますが。
そんなおのを使わなくても最近はスピーキングやリスニングの練習に効果的なサービスがたくさんあります。
リクルートのレアジョブなどが有名ですね。僕が勉強し始めた2014年頃にはこんな便利なものはなかったです…
まとめ

英語の聞き流しに対して好き放題言いましたが、繰り返しますがこれは僕個人の主観です。もしかしたら人によっては効果があるかもしれません。
しかし、個人的には英語の聞き流しはリスニングに対して良い効果は無く、むしろ悪影響があると感じています。
リスニング力を向上させたいのであれば、そのような横着なツールではなく、精聴や発音の練習を愚直に続けたほうが何倍も効率的でしょう。